土曜の深夜、恒例の某タイ料理屋の閉店後、臭いもの好きによる試食会に参加。今回のテーマは「滋賀」ということで、滋賀県出身の常連氏が鮒寿司を持参。周知の通り、世界の臭いもの達と堂々と渡り合える、くさやに次ぐ不動の「日本の臭いもの」のエースであります。
鮒寿司のお供には滋賀の地酒をチョイス |
鮒寿司の製法は内臓を取り除いて塩を詰めたゲンゴロウブナとかニゴロフナを桶で一定期間漬けたあと、身を取り出して洗い、塩抜き後に腹にご飯を詰めて再度桶に投入。フナと一緒にご飯も入れ、そのまま数年間漬け込んで発酵させれば完成、という感じらしい。何年漬け込むかは好みやなんやかやでケースバイケースみたいで、店によってまあいろいろらしいです。ちなみに今回食べたのは5年間漬け込んだものだった。
食べる時は上下にぎっしり敷き詰められた米から身をはがして(写真参照)食べる。と言っても米から本体を取り出すとき皮から身と卵がポロポロ崩れ落ちるので、必然的に卵ばかり食べるような形になります。
卵は乳酸発酵しているせいか、酸味がけっこう強い。臭いは開封時には少しチーズ臭のような発酵臭はあったが、食べるとそれほどでもない。というか別にあんまり臭くない。将棋界で例えると、シュールやホンオをA級棋士だとするとC級2組というか、3段リーグ真っ最中というか……。分からない人のために(いっぱいいるんだろうな)違う例をひくと、バルセロナに対するベガルタ仙台というかなんというか……まあ、要するに一言でいえば「手合い違い」という感じです。とりあえず、苦手な人でも慣れればけっこう食べられるんじゃないか、という気はする。
身は、しつこくシコシコ噛んでいると魚特有の生臭さが口内にじわじわ押し寄せてくる。くさやの身を食べているときの味に近く、なかなか美味しい。魚が好きな人ならあまり抵抗ないんじゃないでしょうか。皮は固く、歯を立てるとコリコリ(というかギシギシ)いう。周りにびっしり敷き詰められている、長い年月、一緒に仲良く発酵した白米は酸味は薄く、わりにしょっぱい。もち米みたいで、箸休め的にちょこちょこ食べるとなかなかいけます。カオニャオ(タイのもち米)替わりにソムタムなんかに付け合わせたらけっこういけるかもしれない。最後は身と米を炊いたご飯の上に乗っけて、定跡通りお茶漬けにして食べたら終了です。
ちなみに、鮒寿司は基になるフナが減少している影響で、現在、価格が高騰しているらしく、この日に食べたものも一匹ぶんで約1万円となかなか高価だった。今後ますます高騰する可能性もなくはないので、興味ある人は今のうちに取り寄せてみるといいかもしれないです。
ラストは定番の鮒寿司茶漬けでフィニッシュ。食べやすくなると思いきや生臭さが際立つという予想外の展開 |
難易度:★★☆☆☆
味 :★★★☆☆
¥ :約1万円(一匹分)