2011年9月30日金曜日

半分たまご、半分鳥、の珍味――ホビロン(バロット)


ホビロン(フィリピン語ではバロット)とは、いわゆる孵化途中のアヒルの卵のこと。東南アジア一帯で広く食べられているもので、屋台や市場などで結構容易に手に入る。

殻を割ったとき、孵化の進捗状況によって出てくる姿が違うのが特徴で、これは買う前に店番のオッチャンにお伺いしたところ、「2週間程度の孵化状態だからダイジョウブ」とのこと。なーんだ、たった2週間か、と安心して、家に帰ってから食後にデザートのつもりで割ってみたら、ゴロリと出てきたのは血管やらなにやらが付着した茹で上がった白身と、その白身に包まれた、恨めしそうな表情を浮かべた本体のアヒル。

かれこれ10年ほど前にもベトナムのホーチミンシティにある「ベンタイン市場」で食べたことがあったのだが、さすがに数年ぶりの邂逅だけに、覚悟を決めて口に入れるまでに10数分ほどの時間を要した。まあ、1個食べて慣れてしまえばあとはいくらでも「おかわり」できるんだけど。ちなみに、食べるときに無念の表情を浮かべたアヒルと目が合うので、抵抗のある方は目をつぶって一息で食べるのをオススメします。くちばしをうっかり噛んでしまうとかすかにパリパリというイヤーな歯応えを感じてしまうので、一気に流しこむための水などのチェイサーの用意も忘れずに。肝心の味だが、生臭いゆで卵を想像してもらえばOK。「うまいか?」と聞かれればうーん、別に旨くはない。ただまあ、鶏肉と卵をセットで食べられると思えば、それなりに得した気分になれる……かも知れない。調味料はケチャップでもマヨネーズでも、普段食べているゆで卵感覚でお好みでどうぞ。自分は定跡どおり塩ふって食べました。


殻をちょっと剥いた状態。めくるめく恐怖タイムの始まりです。

難易度:★★★★☆
味   :★★☆☆☆
お値段:150円(1個)

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