震災の影響で延期になり、10月に場所を靖国神社参道に移して行われた「タイフェス2011」。そこで見つけたのがこのゲーン・マッサマン(イスラム風カレー)。イスラム教徒が多く住んでいるタイ南部地方のカレーだ。
ちなみにゲーンはタイ語で汁物、スープのこと。いわゆるタイカレーはすべてこの「ゲーン」が付くようになっていて、例えば「ゲーン・キョウワーン」だとプリッキーヌー(青唐辛子)が入った「グリーンカレー」、「ゲーン・ペッ」だと「ペッ」がタイ語で辛いという意味で、「レッドカレー」になる。実際はレッドカレーよりグリーンカレーの方が辛いんだけど……。なので当然「ゲーン・マッサマン」だと「マッサマンカレー」ということになるわけであります。「マッサマン」はイスラム教徒のことだそうな。
このゲーン・マッサマン、タイフェスでは「シィータイ・レストラン」や「バーン・プータイ」が出品していたのだが、なぜかそこそこ行列が。タイ料理の中でも結構マイナーな部類なのに、なんで?ホワイ?と一瞬思ったが、そういえばこの少し前に、米CNN系のウェブサイトで「世界で最もうまい料理」という企画をやって、そこで(なぜか)このマッサマンカレーが1位に輝いたんですね。発表後はネット上でもそこそこ話題になっていたので、おそらくそうした影響もあってのことと思われる。まあこのランキング、ネットで検索すればすぐ見つかるのだが、なぜかあん肝が入っていたり、当ブログでも以前に紹介した「臭豆腐」が選ばれていたり、近江牛のステーキがメキシコのチョコレート(3位!)に負けていたり、「とうもろこしまるかじり」が入っていたりととにかくやりたい放題でよく分からないので、これが1位でもあまり違和感はないんだけど。
味は普通(グリーンとかレッド)のタイカレーと比べると、なんというか、一番「カレーらしいカレー」の味。タイカレーは日本で勝手に「カレー扱い」しているだけで、そもそも欧風カレーやインドカレーに比べるとあんまり「カレー」してないので、イスラム風でスパイスを多用する「マッサマン」の方が「カレーっぽい」のは当然といえば当然な気もする。辛さも抑えめで甘みが強いので、通常のハーブがてんこ盛りのタイカレーが苦手な人は気にいるかもしれない。自分はタイカレーの中では辛いゲーン・パー(森のカレー。ハーブ、香味野菜類が嫌になるほど入る)が大好物なので少々物足ない感じではあったが、肉やじゃがいもがゴロゴロ入っているあたりが日本風カレーに近いので、もしタイに住んで「日本のカレー」が懐かしくなったら食べるといいかもしれない。でもないか。
(写真はシィータイレストランが出していたマッサマンカレー)
シィータイレストランの店先に並んだカレー。右はじがマッサマン |
難易度:★☆☆☆☆
味 :★★★☆☆
¥ :500円