ネット通販でブツを取り寄せ、10月某日、都内中央線沿線の某駅にある閉店後の某タイ料理屋2Fを借りきって世界一臭い食べ物ことシュールストレミングの試食会を決行。お店の都合で深夜1時半スタートという変則スケジュールにも関わらず、臭いモノ好き、ゲテモノ好き、どっちもぜんぜん好きじゃないけど一度でいいから見てみたいというヒマな人、たまたま閉店までダラダラ飲んでたからというラッキーな人、などなどが集まり、当初計画を大幅に上回る10人強が参加する事態となった。
シュールストレミングはスウェーデンの缶詰で、塩漬けにした発酵中のニシンを殺菌しないまま缶の中に入れて発酵させたもの。シュールは「酸っぱい」でストレミングは「ニシン」という意味だそうな。ちなみに例によって例のごとくWikiで調べてみると、臭いを数値化したアラバスター単位では8070(Au)でダントツの1位。2位のホンオフェ(前回参照・6230Au)に約2000Au、3位のエピキュアチーズ(1870Au)には約6000Auという圧倒的な差をみせつけてチャンピオンの座に鎮座ましましているという、自他共に認める世界最臭の食べ物です。
事前にネットで情報収集した結果、とりあえず①屋内では開けない②風上では開けない③キレイな服を着て開けない④何が起きても自己責任 の4点を心得るべしとのことだったので、深夜に人気のない店外の屋台席で、事前に100均で抜かりなく購入しておいた雨ガッパと以前に使用した防塵ゴーグルを開封係に装着してもらい、開封式&撮影会スタート。カメラが汚染される危険を考慮して、念のため3mほど距離をとって撮影に臨んでいたのだが、缶切りを入れた瞬間、「プシュッ」という空気が抜ける音ととともに強烈な臭気も周囲に蔓延。ゴミ処理場で腐敗した腸の中を嗅いだような臭いというか、腸の中で生ゴミを嗅いだ臭いというか、とにかくそういう系統の臭いで、はっきり言って超くさいです。マンガ「稲中」で田中が一年間オナラをゴミ袋に溜めた話が出てくるけど、たぶんこんな感じの臭いだったのではないでしょうか。
肝心の味はというと、思っていたより普通。塩気が強くかなりしょっぱいのだが、別に食べられないほどではない。まあ塩がきつい魚の味です。最大のアイデンティティーである強烈な臭いも、度胸一発、口に入れてしまえばそれほど気にはならないのもポイント。きっと嗅覚疲労を起こしていたんでしょう。
そのまま食べるだけなのもナンなので、用意していったマッシュポテトやらオニオンスライスやらチーズやらと一緒にパンに挟んで食べてみたら、これが案外悪くない。スウェーデンの酒、アクアビットで流し込んでもしゃもしゃ食べてるとなんだかだんだん美味しいような気になってきて、気づけばキレイに完食。特に黒胡椒が相性がいいようなので、これを読んで食べてみたいと思った奇特な方は、もれなく用意して食べてみるといいと思います。
パンに挟んで食べると食べやすいことが発覚。ポテト、黒胡椒がオススメ |
開封前の状態。間違っても人の集まる公園などで開けてはいけません |
ゴチックで書かれた「屋外で開封してください」の文字に心躍る |
難易度:★★★★★
味 :★★☆☆☆
¥ :5,250円