歌舞伎町ゲテモノツアー④――アヒルの血

今回もまた、しつこく歌舞伎町ゲテモノシリーズ。第4弾はアヒルの血でございます。




中国語で書くと「香辣血」。漢字そのままに、アヒルの血を固めたものを辛くて香ばしいスープで煮込んだものです。

と言っても血だけじゃ物足りないので、一緒にセンマイ、もやし、キクラゲ、ネギ、レタス、そしてぶっとい春雨も煮込まれているのがポイント。仕上げにパクチー（香菜）をパラパラ振りかけて一丁あがりです。固められた血はプルプルしていてなかなか美味しい。血自体は意外にそれほど味は強くなく、どっちかというと食感部隊、という感じです。

唐辛子のほかにいわゆる中国山椒の花椒（ホワジャオ）が程よく効いて、いい感じに痺れて辛い。とはいえ見た目ほどハードな辛さではないので、牛ペニス同様にたぶんほとんどの人は抵抗なく美味しく食べられるのではないでしょうか。具だくさんなうえにボリュームもなかなかのものなので大勢で行った際にはぜひとも注文しておきたいメニューであります。

中央で存在感を発揮する太ハルサメ。ほうれん草入りのフェットチーネにあらず

これだけでも十分満足できるシロモノだけど、もう一段階上の面白さを提供してくれているのが太ハルサメ（上写真参照）の存在。一見ほうれん草を練り込んだフェットチーネを彷彿させるが、噛むとゴワゴワ固くてまったくの別物（当たり前ですが）。ママさん曰く、サトイモが原料とのことでした。食べてみるとなんだか素朴な味で、なんというか田舎の牧草地の真ん中にぽつんと建っている納屋でハルサメ食べちゃった、みたいな味。アヒルの血のプルプル、もやしとレタスのシャキシャキ、キクラゲのコリコリ、センマイのグニャグニャ、ハルサメのゴワゴワ、と、食感だけでもなかなか楽しいエンターテイメントを堪能させてくれる一皿でありました。ちなみに、「これなに？」と店員に聞いたら「フトハルサメ！」と力強く断言していたのでお店でも呼び名は太ハルサメで通っているようです。ご参考までに。


難易度：★☆☆☆☆
味　　　：★★★★☆
￥　　　：1800円